2012年9月12日水曜日

昨今の分析機器事情

皆さん、お久しぶりです。   座右の銘は ”明日から本気出す”  ご存じNAKAYAMAです。

いやぁ、ほんとに久しぶりの投稿になりますね。何せのんびりするのに忙しいもので(キリッ

今日は特に出張に行っているわけでもなく論文を書くのにも飽きたので、質量分析計についてのお話をしたいと思います。

質量分析計というと、この業界では言わずと知れた主力兵器機器であります。しばしばMS(エムエス)と略されるこの装置ですが、クロマトグラフ等の分離装置と組み合わせることにより、混合試料中の各化合物のマススペクトルを得ることができ、得られた質量電荷比を含む様々な情報は、既知物質の同定や未知物質の構造決定を行うにあたってきわめて強力な手段となります。


超家族演算装置質量分析計
Super Family Computer - MS
メタボロミクスをはじめとするポストゲノム研究にとって、この技術は非常に重要であり、即ち我々の研究は質量分析計の真空ポンプの上に成り立っているといっても過言ではないのです

そして我らが福崎研にはガスクロマトグラフ質量分析計(以下GC-MS)や液体クロマトグラフ質量分析計(以下LC-MS)、めずらしいものでいうとキャピラリー電気泳動質量分析計(CE-MS)や超臨界流体クロマトグラフ質量分析計(SFC-MS)などが常備されており、用途・サンプルによって様々な分析に対応できるようになっております。

分析成功の瞬間

しかしながら、この便利な装置、やはり少々お高いんです... 
どれぐらい高いかといいますと、ものにもよりますが、
ベトナム ドンにして数億~数百億以上。多くの場合、見たい化合物ピークのインテンシティより高くなっています。
このままでは、一家に一台GC-MSというボォクの野望が遠のくばかりです。


だが、嘆くことばかりではありません。実は水面下で既に次世代の足音が聞こえつつあります。

国内最王手インターネットオークションサービス・YAHOO!オークションで"クロマトグラフ"と検索すると、でるわでるわ全21件がヒット。(9/14現在)中古品ならばなんとか!

ハンバーガー2,5000 個分


「アジレント ガスクロマトグラフセット 700,000円」


・・・・う~ん、やっ安いッ かな? これで今日の晩御飯の残留農薬のチェックはばっちりですね。

「島津SHIMADZU ガスクロマトグラフ 7,970円」
こっこれは破格・・・ 動作確認はしているのだろうか。
「アプライドバイオシステム 液体クロマトグラフ質量分析計 2,500,000 円」

高っ!? いや高くないけど高い! ヤフオクでこんな金額が取引されることがあるとでもいうのだろうか。


う~ん。もっとお手軽な液クロはないんですかねぇ。さらに絞り込んで”高速液体クロマトグラフィー”で検索。

・・・いまいちイケてない液クロ用のポンプ(20,000円)と、

☆送料無料☆『高速液体クロマトグラフィーの手引き』(3,050円)、

銀土 高速液体クロマトグラフィー【赤い花】銀魂 380え・・・・・・ん?
ヤフオクの画面内で明らかな異彩を放つ本。随分フランクな専門書ですね。カテゴリが「同人誌」になってますけど・・・

高速液体クロマトグラフィー著
これ、いわゆるBL本(wiki)というやつですか(汗

心なしかいま後ろを通り過ぎたDempoの視線が冷たい....

違っ、君は大きな誤解を




私としたことが取り乱してしまった。しかし、どこが高速液体クロマトグラフィーなんだろうか。

よくよく詳細欄を見てみると、小さな字で 2006.3.5 高速液体クロマトグラフィー様発行 と書いてある。 

これペンネ―ムだったんですか?! 驚天動地のネーミングセンス!!

液クロ自体は様々な分野で用いられているものではありますが、これは業界的に近い人が書いてるんですかね、やっぱり。



もしかしたら何かの縁で、学会等で高速液体クロマトグラフィーさんに会うこともあるのだろうか・・・  
                                                                                                  いや、ないな。

などととりとめのないことを考えながら論文執筆に勤しむ今日この頃であった。                                                             編集;Dempo